税理士試験の勉強は実務に役立たない?モチベーションが上がらない受験生へ

税理士試験【メンタル】

「税理士試験の勉強って、実務ではあまり使わないんじゃない?」

税理士試験の受験生なら、一度はこんなことを考えたことがあるのではないでしょうか。

私も、法人税法を受験しているときに、何度も思いました。

「試験勉強で覚えている知識なんて、実務では全然出てこない」

「こんな細かい、すみっこの知識を勉強するより、お客さんが喜ぶような実務で使える知識を勉強したほうがいいんじゃないか」

正直、そんなことを考えながら勉強していた時期があります。

特に、難しい論点になればなるほど、

「これ、税理士になった後に使うことあるの?」

と思ってしまいます。

しかし、税理士試験14年の受験生活を経験した今だからこそ思うことがあります。

税理士試験の勉強は、「実務で使うか、使わないか」だけで考えてはいけません。

今回は、その理由について私の経験から書いていきます。

税理士試験の知識は、すべてが実務で使われるわけではない

例えば、法人税法の勉強をしていると、実務で比較的触れる機会の多い論点があります。

私の経験では、例えば次のようなものです。

  • 益金の額
  • 損金の額
  • 租税効果
  • 交際費等
  • 寄附金
  • グループ法人税制
  • 貸倒損失
  • 欠損金

一方で、税理士事務所の一般的な業務では、担当する顧客によっては、なかなか触れる機会がない論点もあります。

例えば、

  • 外国税額控除
  • グループ通算制度
  • 試験研究費の税額控除
  • 欠損等法人
  • 組織再編税制
  • スピンオフ税制
  • 外国子会社合算税制
  • 移転価格税制
  • 過少資本税制

などです。

もちろん、これらの税制が必要になる会社もあります。

大企業や海外取引のある会社、組織再編を行う会社などを担当すれば、むしろ重要になる論点もあります。

ただ、私自身が税理士事務所で仕事をしてきた経験からすると、受験勉強で学ぶすべての論点を、日々の実務で使うわけではありません。

だからこそ、

「こんな難しいことを勉強して、何の意味があるんだろう?」

と思ってしまう気持ちは、よく分かります。

難しい論点ほど「実務で使わない」と思ってしまう

税理士試験では、難しい論点が出てきます。

しかも、自分にとって難しいだけなら、まだいいのです。

問題なのは、

「こんなところまで理解しなくても、実務では困らないだろう」

と思ってしまうことです。

私も法人税法を勉強していたとき、何度もそう思いました。

「この論点を理解するくらいなら、もっと実務で使うところを勉強したほうがいいんじゃないか」

「お客さんから質問されることもないだろう」

そんな考えが頭をよぎります。

しかし、税理士試験では、それだけでは済みません。

なぜなら、試験では「実務で使うかどうか」ではなく、「試験問題として出題されるかどうか」が重要だからです。

「実務で使わないから捨てる」では合格できない

税理士試験は競争試験です。

自分だけが難しい論点を捨てるのであれば、それでもいいかもしれません。

しかし、ライバルたちがその論点を理解して、点数を取ってくるのであれば話は変わります。

例えば、自分にとっては難しい論点でも、

「ここは多くの受験生が取ってくる問題」

なのであれば、簡単に捨てることはできません。

税理士試験では、

「実務で使うかどうか」ではなく、「合格するために必要かどうか」

という視点が必要になります。

ここは、受験生として非常に重要なポイントだと思います。

「理解できないから、必要ない」は危険な考え方

そして、もう一つ私が受験生活を通して感じたことがあります。

それは、

「この知識は実務で使わないから、覚えなくてもいい」

という考え方が、ときに自分を守るための言い訳になってしまうことです。

もちろん、本当に実務で使う機会が少ない論点はあります。

しかし、

「難しくて理解できない」

↓

「こんな知識、実務では使わない」

↓

「だから勉強しなくてもいい」

という流れになってしまうと危険です。

なぜなら、同じ試験を受けているライバルたちは、そこで諦めずに何とか理解しようとしているからです。

自分が、

「こんなところまで覚える必要ある?」

と思っている間にも、

ライバルはテキストを読み、問題を解き、暗記し、何とか点数を取ろうとしている。

税理士試験は、そういう受験生たちとの戦いでもあります。

だから私は、

「実務で使わないから勉強しなくていい」ではなく、「合格するために必要だから勉強する」

と考えるようになりました。

「こんな勉強をしているのに、なぜ自分は……」と思ったこともある

私が税理士事務所で働いていたとき、OB税理士の方と仕事をすることもありました。

そんなとき、私はこんなことを考えたことがあります。

「この人たちは、税理士試験を突破ぜずして税理士になったんだよな」

「自分は今、これだけ難しい勉強を繰り返している」

「この人たち、絶対、これ理解してないだろ・・・」

「なのに、この人たちより給料が安い」

当時は、正直そんなことを考えていました。

今思えば、かなり生意気な受験生だったと思います。

でも、ここにも税理士試験の厳しさがあります。

税理士試験には「ルール」がある

例えば、サッカーを考えてみてください。

サッカーで、手を使ってボールを運び、そのままゴールを決めたとします。

「でも、ゴールに入ったんだから1点でいいじゃないか」

とはなりませんよね。

なぜなら、

サッカーには「手を使ってはいけない」というルールがあるからです。

税理士になるための試験も同じです。

「実務では、この知識はあまり使わない」

「もっと実務的なことを勉強したほうが役に立つ」

そう思うこと自体は、決しておかしいことではありません。

しかし、税理士試験には税理士試験のルールがあります。

一般的な5科目合格ルートでは、会計2科目と税法3科目に合格する必要があります。

だから、

「この知識は実務で使うのか?」ではなく、「税理士になるために、この試験を突破するには何が必要なのか?」

と考えることが大切です。

実務で使う知識と、試験に合格するための知識は別物

私は、税理士試験の勉強と実務の勉強は、完全に同じものではないと思っています。

実務では、

「この会社の場合、どの処理が適切なのか」

「お客さんにどう説明すれば分かりやすいのか」

「どうすれば税務上のリスクを減らせるのか」

といったことが重要になります。

一方、税理士試験では、

「法律を正確に理解しているか」

「細かい論点まで理解しているか」

「制限時間内に必要な答案を書けるか」

といった能力が求められます。

つまり、

実務で求められる能力と、試験で求められる能力には違いがあります。

だからこそ、

「試験勉強がそのまま実務になるわけではない」

というのは、ある意味では当然なのです。

「実務で使わないから勉強しない」ではなく「今は試験を突破する」

税理士試験の勉強をしていると、

「こんなことを勉強して、将来何の役に立つんだろう」

と思う瞬間があります。

私も何度もありました。

でも、そこで考え方を変えてみてください。

今やっている勉強の目的は、

「実務で使える知識を全部身につけること」ではありません。

まずは、

「税理士試験を突破すること」

です。

実務で必要な知識は、税理士になってからも勉強できます。

実際にお客さんを担当し、分からないことが出てきたときに調べることもできます。

だから今は、

「この知識、実務で使うかな?」

ではなく、

「この論点を合格に必要なレベルまで持っていくには、何をすればいいか?」

と考えてみてください。

税理士試験は、長い戦いです。

勉強していると、必ず

「こんなことやって何になるんだ」

と思う時期があります。

私も税理士試験を14年間受験してきて、何度もそう思いました。

それでも、最後に必要なのは、

「実務で使うかどうか」ではなく、「合格するために必要なことをやり切れるかどうか」

です。

もし今、勉強のモチベーションが下がっているのであれば、一度だけ考え方を変えてみてください。

「この知識は将来使うのか?」

ではなく、

「税理士になるために、今の自分に必要な勉強なのか?」

です。

そう考えると、目の前にある難しい論点にも、もう一度向き合えるかもしれません。

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